理研製鋼|総合ドリルカタログ
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表面処理152参考資料硬 度 (Hv) 摩擦係数 耐食性 耐酸化性 耐摩耗性 耐焼付性 2,000 〜 2,400 0.45○ △ 0.15○ 0.45 の反応により、表面に0.001〜0.005mmの四三酸化鉄の層を作る。 (2)四三酸化鉄の被膜は、母材の地金と強固に結合しているため、切削力を受けても表面に残留する。    この被膜は、 摩擦係数が小さく、多孔質であるため、切削油を良く保持し、溶着を防止する。 (3)研削加工後に処理するため、内部応力を除去する効果があり、耐蝕性も向上する。 (1)MICとは、Mild Carburization(緩和浸炭)の意味。 ハイスを変態点以下の温度 (700〜750℃) に加熱し、表面のC%量を1.0〜1.1%に浸炭する。   浸炭深さは0.6〜0.7mmとする。 浸炭した後、焼き入れ焼き戻しを行うと、表面硬度はHv950前後と硬くなり、硬度分布は 表面から    内部に向かって緩やかな勾配となる。 (2)MIC処理を施したドリルは、表面硬度が高く、内部はハイスの靭性を維持するために、切削性能が   向上する。 (1)アンモニアガスによる窒化処理と加熱水蒸気による酸化処理を組み合わせた複合表面処理法の一種    である。        2NH3 → 2N + 3H2 550℃前後の水蒸気雰囲気中に、分解ガス(2N)を導入し、酸化処理と同時に窒化処理を施す。 (2)ドリルの表面に約0.03mmの硬化層(Hv950〜1,050)が生成され、表面から酸化層、酸窒化層、窒素 (1)MIC処理に酸窒化処理を施した処理法をスーパーMIC処理と呼ぶ。 (2)スーパーMICを施したハイスの表面硬さは、Hv1,050前後、層の厚さは、窒化層0.03mm、MIC層    0.6〜0.7mmである。 (3)耐摩耗性は、摩耗により窒化層が失われた後でも、MIC層があるため、酸窒化より優れている。 酸 化 処 理 (1)別名、水蒸気処理(Steam Treatment)、ホモ処理とも呼ばれる。500〜600℃の加熱水蒸気の雰囲    気中で M I C 処 理(特許第1236839号) 酸 窒 化 処 理 スーパーMIC処理 コーティング処理 3Fe + 4H2O → Fe3O4 +4H2を固溶した層となる。 酸化層、酸窒化層は摩擦の時生じやすい溶着を抑制し、摩耗を軽減する。 500℃前後の温度で工具表面をイオン化させて被覆したもの。 コーティング 色 調 膜 種 TIN金 色 TICNバイオレット〜灰 3,000 〜 3,500TIALNバイオレット〜黒 2,300 〜 2,500○ ○ ○ △ ◎ ○ ◎ ○ ○ 表面処理

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